
花束を作るとき、「きれいに整える」ことが目標になりがちです。でも、野の花を使うときは、少し考え方を変えた方がうまくいきます。畑や野原で咲いている花は、揃っていません。高さも向きも、それぞれ違います。その不揃いさを束ねた形に残すことが、野の花らしい花束になる近道です。
01 花材を選ぶときの考え方
野の花の花束では、主役になる花と、脇を支える草や実を組み合わせます。主役はコスモスやリンドウなど、花びらがはっきりしているもの。脇役はススキ、アマランサス、ニゲラの実など、形や質感で存在感を出すものです。
色は三色以内にまとめると、まとまりが出やすいです。ただし、同じ色でも濃淡を変えると単調になりません。たとえば、濃い紫のリンドウと、薄いラベンダー色のスターチスを組み合わせると、紫一色でも動きが出ます。
02 茎の長さと向きの調整
花束を束ねるとき、すべての茎を同じ長さに揃えると、花が一枚の板のように平らに見えます。野の花らしさを出すには、高さに差をつけることが大切です。一番高い花と一番低い花の差が、花束の直径の半分くらいあると、立体感が出ます。
茎の向きも、すべてを正面に向けるのではなく、少し外側に向いているものを意図的に残します。花が「外を向いている」状態が、野原で咲いている雰囲気に近いからです。
03 ラッピングは花を引き立てるために
野の花の花束には、白や茶色の和紙が合います。透け感のある薄い紙を使うと、花の色が透けて見えて、包んでいても花の存在感が残ります。ビニールのラッピングは花が蒸れやすいので、長時間包んだままにするのは避けてください。
リボンは細いものを一本だけ使うのが、野の花には似合います。大きな蝶結びは、花の素朴さと合わないことが多いです。
束ね方に正解はありません。ただ、花が「自分らしく」見えているかどうかは、束ねた後に少し離れて見るとわかります。